古市研究室の学生は,この時期国際会議で日頃の研究成果を発表します.12月4日から6日にハワイのホノルルで開催されたAHFE 2023には,4年生の研究成果が1件(佐々木唯衣さんと渡邉雅子さんらのチーム),大学院博士前期課程1年生 近藤秦正君と東京国際工科専門職大学4年 大谷幹仁(※)らのチームによる発表が1件,大学院博士後期課程4年生・倉川清志君が1件発表しました.
※2020年に開学した東京国際工科専門職大学は,1期生が今年度最初の卒業研究を実施中ですが,今春から古市研究室では東京国際工科専門職大学の小野先生と相談・調整して4年の大谷幹仁君をインターン生として受け入れ,卒業研究の一環として古市研究室の学生と共同でLHSに関する研究を行ってきました.
2023年12月31日まで,CYDEF 2023全講演の日英両ヵ国語による講演動画を,オンデマンドで視聴できます.オンデマンド視聴のための登録は,2023年12月15日まで受付中(ここをクリックすると,Peatixでチケットを購入できます)です. 古市研究室との共同研究に興味のある方には,優待コードを発行させていただく場合があります,希望者はフォームで問い合わせてください.
古市研究室では,2014年にサイバーセキュリティをテーマとしたシリアスゲームジャムに多数の学生が参加して以来,人々のサイバーセキュリティへの対処能力向上をテーマとしたシリアスゲームを多数開発してきました.また,近年はオレオレ詐欺に代表される特殊詐欺の被害から我が身を守るためのシリアスゲームの開発や,アラブの春等SNSを介して小さな民衆のチカラが国家の民主化を動かすことができることを体験するシリアスゲームを開発する等,ネット上の情報発信と拡散,そしてそれが人々の行動に影響を及ぼす点に興味を持つ学生が増え,昨年からは偽情報の発信と拡散及び人々への影響に関する,情報戦や認知戦に関連する研究も行っています.
2023年11月11日〜18日にスペインのマドリッドへNATOの会議(HFM-361 Mitigating and Responding to Cognitive Warfare)に参加してきました.マドリッドに行くのは1986年にアフリカ大陸へ渡るためにアルヘシラス急行に乗るために立ち寄って以来なんと37年振り.当時は,地下鉄のグランビア駅前のマクドナルドの建物は豪華絢爛で是非とも行くようにと言われ、実際行ってビックリ.それが現在どうなっているかを仕事の後確認に行ったら,当時と全く同じで更にビックリ.会議は,ちょうど1年前にノルウェーで開催された第1回CogWarワークショップの同窓会みたいな感じで,NATO加盟国の各研究者と更に交流を深めることができました.この動画は,この海外出張全般のダイジェスト版です.ワルシャワでの乗り継ぎに10時間以上あったので,少しだけ街にも出てみました.ポーランドに行くのは生まれて初めてで,古市先生の訪問国は68カ国となりました.
数理情報工学科にはゲーム開発に興味のある学生が毎年たくさん入学します.入学後はプログラミングの基礎等やゲーム開発には欠かせない数学,物理,そして人工知能,コンピュータグラフィックス,アニメーション等を学び,3年生ではチームでゲーム開発を行って世界に向けてストアでリリースして実績を積みます.次に,一部の学生はその腕を試すために世界各地で行われるゲーム制作を行う国際大会等にも参加します.今年はコロナ禍が明け久しぶりに対面型の国際大会「全州大学グローバルゲームジャム」が韓国で行われ,4年生の学生3名が参加してきました.今回日本大学から参加したのは生産工学部数理情報工学科 古市研究室の3名に加え,理工学部応用情報工学科 松野研究室の3名が参加した他,日本からは東京大学文学部 吉田研究室の4名も参加し,担当の古市先生によると国際大会に日本からの参加者が10名を超えるのは今回がゲームジャム史上初であろう,とのことです.
現地メディアによる報道(ブラウザ上で日本語に翻訳してお読みください)
ゲームジャムとは,会場に集まった学生やゲーム開発のプロが即席でチームを組み, 2泊3日でゲームを制作するイベントです.初日には主催者からテーマが発表され,続いて各メンバは自分のスキルを相互に紹介して5人でチームを編成します.最も効果的なチーム編成は1チームに1人のゲームデザイナ,2人のゲームプログラマ,2人のゲームアーチスト,加えてその中の誰かがゲーム・ミュージックを担当できると盤石なチームとなります.しかし,世の中はそのように甘くはなく,チーム編成には大変多くの時間を要したり,せっかく編成したチームが分かれることになったり,ゲームジャムの物語はそこからはじまります.
今回のゲームジャムのテーマは,"PEACE" (平和)と発表されました. このテーマが発表された後,各チームではテーマに関するリサーチが始まります.世界平和のことを考えたり,分断国家である韓国の平和を考えたチームもあったことでしょう,平和の象徴である鳩をイメージしたチームもあったようです.そんな中,もっと身近な自分の周辺の平和を考えたチームもあったようです.
古市研究室には,海外の提携校等からの交換留学生が半年または1年間滞在します.コロナ禍が明けて初めての台湾・中國科技大學からの交換留学生高郁晴(カオ・ユーチンさん)が1年間の留学期間を終え,所属していた古市研究室の学生達から送別会を行ってもらいました.カオさんは留学中4年生の岡田万実さんとチームを組んで男性美容を対象とした事業戦略について研究し,「男性美容コンサルティングチャットボット“智慧”の試作」というタイトルで日本デジタルゲーム学会で発表しました.帰国後も,この事業については台湾から協力していただけることになってます.1年間の日本留学の成果を,研究室の学生達との数多くの想い出と一緒に持って帰国してください.
歴史番組のため日本大学理工学部精密機械工学科の粟飯原萌先生と日本大学生産工学部数理情報工学科の古市昌一先生及び 川上智先生(客員研究員)とで本年1月からFAiBS(Furuichi Aibara Battle Simulator)の上に新たに指揮統制(Command and Control)モデルを構築し,FAiBS C2を開発してきましたが,2023年3月14日(火)にFAiBS C2を用いて番組収録が古市研究室で行われました.放送日と再放送日は次のとおりです.精密機械工学科と数理情報工学科が得意とするAIとモデリング&シミュレーションの技術がどのように歴史の研究にも活かせるか,ご覧ください.
古市研究室では人間の意思決定と行動をコンピュータ上で再現するためのメカニズムとして人工知能の応用を研究しており,応用分野の一つとしてTV番組の制作に協力して歴史上起こった様々な戦いをコンピュータ上で再現しています.これまでに再現した戦いは関ヶ原の戦い,三方ヶ原の戦い,本能寺の変,中国大返し,美濃大返し,長篠の戦い,黒船来航等ですが,今回番組でテーマとして取り上げるのは戦国時代最強の武将と言われた武田信玄の,指揮統制能力の高さをシミュレーションにより再現して可視化することです.指揮統制の能力自体は人間の能力のため直接可視化することはできませんが,コンピュータ上に再現した仮想戦闘環境上で戦闘状況の変化を見せることによって,指揮統制能力の違いの可視化にチャレンジしました.
モデル化にあたっては,生産工学部内の歴史ファンの皆さんから指揮統制能力の高かった武将に関する図書や情報をたくさん提供していただいた他,歴史家の樋口隆晴先生との2回の討議と番組ディレクタの方からのアドバイスをベースに,FAiBS CSを粟飯原先生が約1ヶ月半の開発期間で(株)構造計画研究所のartisoc Cloud(マルチエージェントシミュレーションのための開発環境)上に開発しました.
番組の中では武田信玄が如何にして統制力を高めて最強の武将となったのかが紹介され,シミュレーションでは統制力を使番という役割におきかえてモデリングし,その有無によって戦いの結果がどのように変化するかを再現しました.また,現在の軍隊で重要であると言われるミッション・コマンド(リーダが作戦の大方針を決定し,現場は現場の指揮官にまかせる)が,使番を用いた本シミュレーションによってわかりやすく再現されている旨,番組中で紹介されました.
収録時の番組進行はNHKの近田雄一アナウンサーが行い,2020年に放送された「歴史探偵〜黒船来航」以来3年ぶりの研究室来訪でした.番組中では戦闘状況の中継を,指揮統制能力を中心に開発者3人と掛け合いながらお話しをすすめることができました.内容の詳細については,番組をご覧ください.
NHK総合の番組「歴史探偵 長篠の戦い」(2021年5月19日(水)放送)が2023年6月14日(水)に再放送されます.本番組は生産工学部数理情報工学科の古市先生と理工学部精密機械工学科の粟飯原先生が出演します.古市先生は人の行動等を人工知能技術を用いてコンピュータ上で再現するモデリング&シミュレーション技術及びシリアスゲームへの応用で知られており,粟飯原先生は古市研究室出身で戦国時代の戦いを再現するウォーゲームFAiBS(Furuichi Aibara Battle Simulator)の開発で知られています.今回番組で取り上げるのは1575年の徳川・織田連合軍と武田軍との長篠の戦いです.番組では愛知県新城市設楽原歴史資料館館長の湯浅大司氏と,歴史学者の平山優氏に史実や先生方から当日の鉄砲の性能や両軍の戦い方等について教えていただき,古市先生と粟飯原萌先生がモデリングを行い,FAiBS上に長篠の戦いを再現しました.
2023年5月18日,日本大学生産工学部 環境安全工学科4年の柿沼秀真君(今村研究室所属)と,「eスポーツは卒業研究のテーマになるか?」というタイトルで対談をしました.対談には古市研究室所属の博士後期課程学生関口和巳君にも加わってもらい,eスポーツ用のゲーム開発をする立場として古市がインタビューする形式で行いました.柿沼君は「かきP」として知られるプロのeスポーツプレイヤで(NORTHEPTION所属),Shadowverse 世界大会2021優勝, rage shadowverse 2021 winter 優勝等,学業と両立させている学生です.卒業研究のテーマを考えるにあたってアドバイスするため,対談形式で」シャドバの運要素について」をテーマとして約1時間対談を行いました.対談内容はサマリは別途ホームページに掲載予定です.本動画では,そのサワリ部分をご覧ください.
結論だけを言うと,卒業研究のテーマとしてプロのeスポーツプレイヤが自ら行う研究は大変貴重であることがわかるとともに,シャドバの運要素について過去の自らの対戦結果を分析することは今後のゲーム開発者にとってもとても貴重な知見となり得る,ということが本日判明しました.
今後柿沼君は過去の対戦結果のいくつかを分析し,その結果をまたこのメンバで討議することとなりました.今後の経緯をお楽しみに!
2013年3月25日(土),日本大学では卒業式が武道館で行われ,午後は津田沼キャンパスで学位記授与式が行われました.古市研究室では11名が卒業,1名が博士後期課程を修了しました.おめでとうございます!
古市研究室に2026年4月から博士前期課程または博士後期課程(社会人を含む)の学生として入学・配属を希望する学生または社会人については現在相談を受け付け中です.古市研究室では,2017年に最初の社会人学生が博士号を取得して以来2025年3月までに6人が博士(工学)を取得した他(5人は社会人学生,1人は内部進学生),2025年4月には2名の社会人が学位取得を目指して研究を続けています.博士号は,地球上の総ての国で有効な世界共通の資格です.仕事をする上で,私の場合は大変役立ちました.仕事が忙しくても学位を目指せます.社会人で通学が難しい場合は,週一回オンラインでのゼミを3年間行い,査読付き論文が採録されるまで論文投稿を繰り返せば取得できます!この機会に,皆さんもチャレンジしてみましょう.
3年生の配属定員は約4名です.定員に限りがあるため,希望者は早期にポートフォリオを持参の上で面談することをオススメします.
2023年3月9日(木)に帝国ホテルで公益財団法人 科学技術融合振興財団(FOST)の2022年度FOST賞の授賞式が行われ,大学院博士後期課程3年の進士多佳子さんがFOST新人賞を受賞しました.進士さんは,同財団から助成金を得て家族間協調によるライフヒストリ記録システムの開発を行い,この成果で3月25日に博士(工学)の学位を授与されますが,この研究成果が財団によっても評価されたものです.今後は,本システムの実用化に向けての開発を続けていくとのことです.今後の研究開発及び事業化に興味のある方は,古市研究室まで問い合わせてください.
なお,今年度新人賞はもう一人立命館大学のシン・ジュヒョン先生が受賞されました.シン先生は古市先生が現在副会長を務める日本デジタルゲーム学会の代議員でもあり,同じコミュニティから2人も新人賞を受賞されたことに,古市先生はビックリされてました.
4gamer.netの記事もあわせてお読みください.
2023年3月11日,生産工学部では起業支援プログラムの最終報告会・学内資金調達コンペティションが行われ,発表者3人のうち2名が数理情報工学科の学生でした.
古市研究室3年の岡田万実さんの提案する事業は「男性美容コンサルティング」で,潜在的な需要が急増している男性用化粧品にもかかわらず,男性が入りやすい化粧品店は存在せず,そのような需要をオンライン上のチャットボットと,美容・栄養・薬剤・看護師等の資格を持ったプロによるコンサルティングサービスを提供するもので,既に3月には日本デジタルゲーム学会で提案システムを発表する等,具体的な事業化が大学における研究の一環として進めているものです.本事業は「激励賞」を受賞し,今後も研究と並行して本格的な事業化をすすめる予定とのことです.
2023年2月24日〜25日に開催された日本デジタルゲーム学会年次大会のインタラクティブセッションで3年生の佐々木唯衣さんが「白内障手術体験シミュレータ“シロ”の開発」というタイトルで発表し,学生奨励賞を受賞しました!本賞は本年次大会で学生が発表した20件の中から優秀な論文2件が選ばれたものです.受賞は筆頭著者の佐々木唯衣さんですが,共著者の渡邉雅子さん,喜内瞭君,髙橋龍世君らが全員表彰されたものです.おめでとうございます! なお,喜内君と髙橋君は1年生の学生で,古市研究室の見習い生として本研究を3年生の学生と一緒に行ってきました.
なお,古市研究室からは本発表を含めて学生が6件,教員が1件発表しました. 発表した論文一覧はResearchmapでご覧いただけます.
①白内障手術体験シミュレータ“シロ”の開発, 佐々木唯衣, 渡邉雅子, 喜内瞭, 髙橋龍世, 粟飯原萌, 古市昌一 ②男性美容コンサルティングチャットボット“智慧”の試作,岡田万実, 高郁晴, 古市昌一 ③忘却曲線に基づくCBTテスト対策支援システムの試作,康善伊, 中村夏帆, 古市昌一 ④即答力の向上等を目的とした就職面接練習用シリアスゲームの試作,古郡映莉奈, 土田羽乃, 古市昌一 ⑤新入生の大学生活に対する満足度向上を目的とした シリアスゲームの試作および1次評価, 清家光生, 木原優斗, 二神昌洋, 桒本陽希, 古市昌一 ⑥運動不足解消を目的としたVR空間上で体動を利用しキャラクターを動かす シリアスゲーム “LET’S UNDO”の試作,立原慧大, 服部紀葵, 松永悠生奈, 大平純蓮, 古市昌一,日本デジタルゲーム学会第13回年次大会 2023年2月25日 ⑦ゲーム教育SIG 活動報告 -勉強会8回を振返りゲームの未来を考える,岸本 好弘, 小野 憲史, 後藤 誠, 河野 義広, 財津 康輔, 川村 景吾, 粟飯原 萌, 古市 昌一,日本デジタルゲーム学会第13回年次大会 2023年2月24日
2022年10月26日,ガーナ大学の副学長Agyeman先生らが数理情報工学科を訪問され,モデリング&シミュレーションとシリアスゲームに関する情報を交換を行いました.
大学院博士後期課程の倉川清志君が2023年2月19日(日)に日本橋公会堂で開催された「全国志ビジネスプレゼンテーション大会」に出場し,現在研究で実施している内容等を中核とする新しいビジネスについて発表し,優勝・環境大臣賞を受賞しました.倉川清志氏は現在博士後期課程の3年生で,2023年9月の修了を目指している学生ですが,同時に(株)東京技術計算コンサルタントの代表取締役でもあります.日本大学大学院生産工学研究科の数理情報工学専攻には,在職のまま研究室で研究をすすめる社会人学生が多数在籍し,自ら会社で行っているビジネスを,学術界においても評価を高めるよう,教員や学生とともに研究を進めています.
古市研究室は23号館1階の102室にありますが,その斜め向かいの105室には数理情報工学科のeスポーツスタジオがあります.本スタジオはメンバ数が160人を超えるeスポーツ研究会の練習場としても使用してますが,メインは数理情報工学科でeスポーツやシリアスゲームの研究を行う教員と学生のためのスタジオでもあります.数理情報工学科においては,ゲームを研究対象とすることに対して他大学の多くと比べて理解があり,このスタジオから今後多数のeスポーツ用のゲームが生まれることが期待されています.
起業支援プログラムは, 生産工学部では令和4年度に”在学中に本気で起業を目指す学生”を支援するプログラムとしてスタートしました.このプログラムは,日本大学生産工学部から学生起業家を輩出することを目指すもので,起業したい学生を本気で支援するものです. 詳しくは、リンク先のパンフレットをご覧ください.本プログラムには多数の応募があり,古市研究室3年生の岡田万実さんもその一人として選ばれ,2022年10月29日(土)には中間報告会が行われました.そして,2023年3月11日(土)14:30から37号館の101教室で資金調達コンペを兼ねた最終発表会が行われます.最終発表会には岡田さんを含めて3件のエントリがあり,起業支援プログラムから生まれる初の起業家を目指して,当日はビジネスプランとこの1年間の活動成果で競います.
学生起業家プログラム・資金調達コンペのお知らせ 日時:2023年3月11日(土)14:30から 場所:日本大学生産工学部 37号館101教室・オンラインでの中継も行われる予定です
現在岡田万実さんは提案している事業計画を実現するためにスマートフォン用のアプリを高郁晴さん(台湾中国科技大からの交換留学生)と共同で開発しており,その成果は2月24日に開催される日本デジタルゲーム学会の年次大会でインタラクティブセッションでの発表を予定しています.起業と事業化を目指して研究を頑張る,数理情報工学科ではこのような学生がたくさんいます.受験生の皆さんも,学んで資格を取得して就職することだけが大学に入学する目的と考えず,色々なことにチャレンジできる数理情報工学科を目指してみてはいかがでしょうか?