交換留学
Exchange Students

台湾の中国科技大Computer Scienece学部と日本大学生産工学部数理情報工学科は,2013年3月19日に学術交流協定に調印し,以来両校の間では交換留学を始め教員の相互研究交流を行っています.学術交流協定の調印式には松井学部長(当時)を始め,数理情報工学科からは細川教授,角田教授及び古市教授が参加しました.台湾への留学を希望する学生にはまたとない機会である他,台湾からの留学生を以後積極的に古市研究室では受け入れています.

また,その一環として数理情報工学専攻の大学院生を夏季にインターンとして受け入れていただいています.2013年9月には3名(岡研究室及び古市研究室の所属)が,建築工学専攻の大学院生5名と共に2週間インターンに行きました.このインターンは正式名称を生産工学特別実習と呼び,2013年より大学院の選択必修科目として設置されたものです.中国科技大でのインターンのテーマは,映画制作やスポーツ科学の研究で利用されるモーションキャプチャ技術の習得です.同年のインターンシップでは,台湾におけるモーションキャプチャの第一人者である規格設計学院の許(Hsu)先生から指導を受け,大学院での各研究テーマに即したデータ取得を行ってきました.講義は2013年9月2日から始まり,9月13日に成果発表を行って14日に帰国しました.本インターンで期待される成果は勉強と研究だけではなく,中国科技大の学生達との交流が期待されます.

台湾・中国科技大学は台北及び新竹にある総合大学で,数理情報工学科に来る交換留学生は台北のデジタルメディアデザイン学科から1年間来ます.2019年度に古市研究室に来た3年生の柯文筑さんは,日本語による授業受講は不得意でしたが,英語と中国語と日本語のトライリンガルで,数々の国内及び海外でのゲーム制作大会に参加し,複数回優秀賞を受賞しました.


2020年2月3日,日本大学の修了証書をもらった時の柯文筑さん

2019年6月29日(土)~7月1日(月)に中国・吉林省・長春の吉林動画学院(Jilin Institute of Animation)で開催されてた国際ゲームジャムで,日本代表として参加した数理情報工学科の3年生柯文筑さん(台湾の中国科技大からの交換留学生)が所属するチーム"Panda Eyes"が開発したゲーム"Hungry Panda"が最優秀賞(金賞)を受賞しました!

なお,日本からはカプコンのゲームクリエイター(モンスターハンターのワールドディレクタ)徳田優也氏がゲストとして参加し,参加者に向けて講演を行いました.徳田氏とは帰国時にインチョンまで同じ飛行機となり,柯さんとはフィリピンのトカゲの話しがきっかけとなって古市先生と3人でゲーム会社への就職の話題で盛り上がりました.

向かって一番左端が柯文筑さん,中央はYoon学院長
向かって右から3番めはカプコンの徳田優也氏(モンスターハンターのワールドディレクタ)

中央はモンスターハンターのワールドディレクタ徳田優也氏(カプコン)

サインをした直後の柯文筑さん

2019年12月8日(日)から第8回シリアスゲームジャムが行われ,15日(日)までの1週間で25人の学生と社会人が即席のチームを組んで5本のシリアスゲームが開発されました.古市研究室からは3名の学部3年生,数理情報工学専攻からは1名の大学院1年生が参加し,3年生の柯さん(ニックネームはりっちゃん)がデザイナとして参加したチーム「マーベル」の制作したゲーム「Telepathy」は最優秀賞(Grand Prix Award)とデザイン部門の優秀賞(Excellent Design Award)を受賞しました.また,大学院1年生の齋藤君(ニックネームはとうや)はリサーチ部門の優秀賞(Excellent Research Award)を受賞しました.おめでとうございます!

最優秀賞(Grand Prix Award)を受賞したチーム「マーベル」柯さんはチームの中央
チーム「マーベル」が制作したシリアスゲーム「Telepathy」
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優秀賞(Excellent Design Award)を受賞したチーム「マーベル」柯さんはチームの中央

シリアスゲームとは「世の中の課題解決を目的として開発したコンピュータゲームのこと」ですが,今回解決する課題は「アクセシビリティ(バリアフリー)に対する理解の向上」,そして参加者に与えられたミッションは「障がい者と高齢者と健常者が共通の土俵で競うことができるディジタルゲームを制作せよ!」でした.チーム「マーベル」はヒューマンアカデミー秋葉原校1年の小野君が人生初のディレクタを努め,東京工科大の朱君(Zhu)と中国・長春の吉林動画学院の陈(Chen)さんがプログラマ,吉林動画学院の尚君(Shang)と日本大学の柯さん(りっちゃん,台湾・新竹の中国科技大からの交換留学生として古市研究室に在学中)がデザイナを担当した国際色豊かなチームでした.Telepathyでは「競う要素」が「一緒に楽しむ要素」として実現されました.「同じ土俵」の要素は,皆さんぜひともTelepathyをダウンロードしてプレイし,実感してみてください.バリアフリー/アクセシビリティに対する理解が,Telepathyを通して深まるのではないでしょうか.なお,日本大学の柯さんと吉林動画学院の尚君は6月に中国・長春で開催された中国国際学生ゲームジャムでも同じチームを組んで最優秀賞を受賞したので,二人にとっては今年2大会連続の最優秀賞受賞となりました.