NHK総合の番組「歴史探偵 長篠の戦い」(2021年5月19日(水)放送)が2023年6月14日(水)に再放送されます.本番組は生産工学部数理情報工学科の古市先生と理工学部精密機械工学科の粟飯原先生が出演します.古市先生は人の行動等を人工知能技術を用いてコンピュータ上で再現するモデリング&シミュレーション技術及びシリアスゲームへの応用で知られており,粟飯原先生は古市研究室出身で戦国時代の戦いを再現するウォーゲームFAiBS(Furuichi Aibara Battle Simulator)の開発で知られています.今回番組で取り上げるのは1575年の徳川・織田連合軍と武田軍との長篠の戦いです.番組では愛知県新城市設楽原歴史資料館館長の湯浅大司氏と,歴史学者の平山優氏に史実や先生方から当日の鉄砲の性能や両軍の戦い方等について教えていただき,古市先生と粟飯原萌先生がモデリングを行い,FAiBS上に長篠の戦いを再現しました.
長篠の戦いは 徳川・織田連合軍と武田軍をあわせると約4,000丁の火縄銃が使われた戦いとして有名な戦いですが、小学校で我々が学んだ三段撃ちが本当に戦いで行われたのか,負けた武田側はどのような戦いをし実際のところの優劣はどの程度であったのか等を番組用に開発したFAiBSで再現しました.特に,火縄銃の連射性能や銃兵の練度等を如何にモデリングするかを工夫し,史実で知られているいくつかの事象を再現することができた点等を,番組でお楽しみください.
●歴史探偵番組ホームページ
歴史探偵が2021年4月から毎週水曜のレギュラー番組となる以前,歴史探偵「本能寺の変」と 「黒船来航」にも古市先生と粟飯原先生が出演し,人工知能技術を用いた明智光秀による亀山城から京都本能寺までの深夜の行軍やペリーと徳川幕府のお台場での仮想の戦いを再現しました.読売新聞の記事でも本能寺の変と黒船来航等番組が紹介されています.
■番組名 「歴史探偵 長篠の戦い」 ■放送日時 ・2023年6月14日(水) 16時15分~17時00分 NHK総合 全国 ・2023年6月7日(水) 22時00分~22時45分 NHK総合 全国 ・本放送:2021年5月19日(水)夜10時30分~11時15分 NHK総合 全国 ■番組紹介 俳優・佐藤二朗ひきいる「歴史探偵社」が、今回調査するのは「長篠の戦い」です。これまでの通説では『信長の鉄砲隊に武田の騎馬隊がやみくもに突撃し、壊滅した』とされてきました。しかし近年、武田の鉄砲隊や信長が準備した陳城についての研究が進み、この通説が覆ろうとしています。実際の戦いはどのように行われたのでしょうか?番組では、火縄銃の発射実験や両軍の鉄砲隊同士のシミュレーション実験、さらに戦場跡から見つかった鉄炮玉の化学調査を実施。徹底調査で真相に迫ります。
今回の番組収録にあたり,FAiiBSの開発を(株)構造計画研究所のartisoc Cloud上で開始したのは2020年12月,モデリング部分は古市先生と粟飯原先生が共同で行い,シミュレーション部分の開発は粟飯原先生が一人で行い,2021年2月12日に完成, FAiBS(Furuichi Aibara Battle Simulator)と命名,2021年2月13日(土)に番組の収録を日本大学生産工学部環境安全工学科の会議室を借りて行いました.
収録当日は歴史学者の平山優先生と新城市設楽原歴史資料館館長の湯浅大司氏にお越しいただき,FAiBS上で長篠の戦いを再現,連吾川沿いに約2km馬防柵で守りを固めた徳川・織田連合軍と戦う武田軍の様子を,途中粟飯原先生による最終デバッグ作業の時間をはさみながら,丸一日かけて収録しました.