歴史探偵「元寇-モンゴル帝国の秘密」で,古市研究室の客員研究員川上智氏(現役海上自衛官)がノルマンディー上陸作戦と対比して元寇・弘安の役を解説しました
○放送日:2022年7月6日(水) 22:00~22:45
2022年4月1日から新たに数理情報工学科の客員研究員となった川上智氏(現役海上自衛官)が,日本大学での初仕事としてTVの歴史番組に専門家として出演し,2022年4月15日(金)に古市研究室で収録が行われました.川上氏は2018年4月から古市研究室に社会人ドクタの学生として在学し,本年3月に博士(工学)の学位を取得したばかりですが,在学中もNHK総合の「歴史探偵 黒船来航」(放送は2020年3月)やNHK BSPの「決戦!源平の戦い」(放送は2022年4月)に出演する等,研究成果であるマルチエージェントシミュレーション技術を歴史の再現に応用により貢献してきました.今回の番組で対象とした歴史的な戦いは,我が国が初めて海外から大規模な攻撃を受けた弘安の役(1281年).小学校の歴史等では神風により鎌倉幕府側は勝利したと教わった方が多いと思いますが,本番組で川上氏は「弘安の役」は第二次大戦中の「ノルマンディー上陸作戦」と大変類似した上陸作戦であるという説を新たに展開し,双方を対比させてわかりやすく解説しました.
川上智氏が所属する古市研究室では人間の意思決定と行動をコンピュータ上で再現するためのメカニズムとして人工知能の応用を研究しており,応用分野の一つとしてTV番組の制作に協力して歴史上起こった様々な戦いをコンピュータ上で再現しています.これまでに再現した戦いは関ヶ原の戦い,三方ヶ原の戦い,本能寺の変,中国大返し,美濃大返し,長篠の戦い,黒船来航,鎌倉の戦い,壇ノ浦の戦い等で,戦いの再現にあたっては主として(株)構造計画研究所のartisoc Cloud(マルチエージェントシミュレーションのための開発環境)上モデルを開発しましたが,今回番組でとりあげる弘安の役ではコンピュータを使わない図上演習方式で行いました.