博士後期課程1年の川上智君が公益財団法人科学技術融合振興財団(FOST)の研究助成金 に応募していましたが,採択されましたと通知がありました.研究テーマ名は「ゲーム産業における経営意思決定のモデル化とビジネスゲームの一次試作」,ゲーム産業における製造者側と消費者等の行動等をコンピュータ上にモデル化し,経営者側の意思決定訓練を行ことを目的としたビジネスゲームの開発に関するものです.
ビジネスゲームとは,経営学の様々な領域における知識や技能について,ゲームの参加者が演習形式で直接体験することにより学ぶことを主目的とするゲームのことです.ビジネスゲームが世界的に普及したきっかけとなったのは1956年に米国経営協会が開発した「Top Management Simulation」と言われており,これはそれ以前に実戦の演習で有効な手段となったウォーゲームを参考に開発されたものです. その後,我が国をはじめとして世界中でビジネスゲームが開発され,教育および研修の分野で使われています.川上智君が今回開発するのは,現場での失敗が許されない経営者の方の実戦訓練を目指すものです.
川上智君が所属する古市研究室では,ゲームがもつ力を世の中の課題解決に役立てるための研究を行っており,そのような目的で開発するゲームのことはシリアスゲームと呼ばれます.ビジネスゲームは歴史が古いため,これまであまりシリアスゲームと呼ばれる機会が少なかったですが,古市研究室では今後もビジネスゲームをシリアスゲームの中の代表的な応用分野として位置づけ,研究を続けて参ります.