サンパウロ大学・学際領域インタラクティブ技術研究センタを古市先生が訪問し,バーチャルリアリテイ,医療・福祉工学技術に関する研究交流を行いました.サンパウロ大学と日本大学と学術交流協定(協定校)を締結している南米大陸の2大学のうちの一つです.日本大学を国内外に紹介する際,日本一学生数の多い大学ですと紹介して欧米の大学の方から規模にビックリされることが多いですが,サンパウロ大学ではこれが通用しません.なんと学生数は約95,000人,更に驚くことに大学院生の数が約45,000人と,学生数において日本大学を遥かに超える規模,そして大学院生の数からわかるように自他認める研究大学です.ちなみに,日本大学は2015年5月現在学生数が69,756人,うち学部生は66,956人,大学院生は2,800人です.更に驚くことに,サンパウロ大学は州立の大学ですが授業料はタダ,先生に聞く所によると,州外及び外国人も含めてタダのようです.その分競争率が大変高く,日本以上と同様に受験戦争は大変だとのこと.更に更に驚いたのは,日系人の学生比率が高く,20%を超えているようです.学内には日本の文化を伝える立派な日本会館があり,研究者の皆さん(特に医学系)にも日本の名前を持った方が多く,”百聞は一見に如かず”を訪問して痛感しました.
訪問したのはCITI研究センタ,日本語に直すと学際領域インタラクティブ技術研究センタです.情報工学を中核として学際領域各分野の融合を目指した研究センタで,いずれの学部にも属さないサンパウロ大学直下の研究センタで,上記写真の右上に示す体育館のような形状をした3階建ての建物を中心に,いくつかの実験装置等は分散しています.CITIはその名が示す通り工学,医学,心理学,考古学等様々な分野の先生方が集まった学際領域に関わる研究を行う研究所で,今回見学させていただいたのは主としてバーチャル・リアリティと医療福祉工学に関する研究をされている先生方でした.私の目から見ると,「全員がシリアスゲームに関する研究をされている」と言い切っても過言ではなく,皆さんはいずれもシリアスゲームという言葉をご存知で無かったのですが,私が簡単なレクチャをした後には全員がこれに同意して下さいました.
今後,医療・健康・福祉分野に関わる共同研究をシリアスゲームの観点から進めることで合意,早速古市研究室の学生達にもそのことを伝えました.今後のお互いの成果が楽しみです.