CGを用いて映像制作を行う目的の一つは,”複雑な現象を一般の人にわかりやすく伝えること”である.例えば,事故,災害,犯罪等の場合,発生した現場における様々な状況を伝える映像を入手することが困難な場合がほとんどで,そのために例えばTVのニュースや報道番組等ではCGを用いた再現映像が用いられる.しかし,再現に用いたシナリオは一般的に静的(固定的)である場合が多い.従って,例えばTVの報道番組に出演してCGによる再現映像を観た専門家は,その場でシナリオを変更したいと申し出ても,変更して再現するには時間を要するため,できない場合が一般的であった.しかし,シリアス・ゲーム技術を応用することにより,その場で登場人物の行動や意思決定を人が行うことが可能となり,ほぼリアルタイムで専門家の意見を反映して再現映像を作成することが可能になると考えられる.今週のゼミでは,これを実現するために必要となる技術課題等について学ぶ.題材として用いるのはVBS2とFSWである.